「せどりをするのに開業届は必要なの?」

そうお考えではありませんか?

たしかに、副業であれば開業届の提出は必要ないと考える方も多いかもしれません。

そこでこの記事ではせどりで開業届が必要なのかについて解説します。

さらに、開業届を出すメリット・デメリットや、実際に開業届を提出する手順も解説します。

この記事を読んで開業届について正しく理解し、せどり物販を行っていきましょう。

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せどりをやる際に開業届は必要?

せどりをやる際に開業届が必要かについて解説していきます。

せどりを本格的に取り組みたいと考えている方は、よく確認しておきましょう。

せどりを始めるなら開業届の提出は原則必要

結論、せどりを始めるなら開業届の提出は原則必要です。

開業届が必要になるのは以下の場合です。

  • 法人の場合
  • 個人事業主の場合

物販事業を行う会社が法人格を持つ場合は、法人登記を行い、その際に開業届を提出するのが一般的です。

法人の立ち上げと同時に物販事業を開始する場合、法人登記とともに税務署への開業届の提出を行います。

個人事業主は、確定申告を青色申告者として申告する際に開業届の申請が必要です。

収入が一定の基準を超える場合や特定の条件を満たす場合には、市町村役場に届け出ることが求められます。

ただし、提出の基準は地域によって異なり、役所で確認が必要です。

開業届を出さない場合でも罰則などがあるわけではない

開業届を出さない場合でも罰則がとくにあるわけではないため、開業届を出さなくてもせどり・物販は行えます。

ただ、今後事業が成功し売上が拡大した際には、税金の支払いが発生します。

開業届を提出していなくても、一定の売り上げがあれば確定申告を行います。

その際に、税務調査の対象になりやすくなるというデメリットがあるため、リスクを避けるならば開業届を出しておいた方が良いです。

ただ、年間売上が高くない場合は白色申告で物販を行う方もいるため、必ずしも開業届を出さなければならないということはありません。

開業届を出す手間はかかりますが、税務調査のリスクや節税、社会的信頼性の構築を考え、開業届を提出する方が良いでしょう。

そもそも開業届とは?どんなメリットがあるの?

そもそも、開業届とは事業を起こす際に税務署に届け出をだし、事業者として認定してもらうための手続きです。

ここでは、開業届を提出することでどのようなメリットがあるのかを解説します。

  • 青色申告ができる
  • 屋号で銀行口座を開設できる
  • 赤字を繰り越すことができる
  • 法人用のクレジットカードがもてる
  • 小規模企業共済制度の退職金制度が利用できる

一つずつ詳しく解説します。

青色申告ができる

開業届を出すメリットの一つ目は、青色申告ができることです。

青色申告ができると、支払うべき税金を少なくでき、最大で65万円の控除が可能になります。

ただ、65万円の控除が受けられるのはe-taxで確定申告を行った場合か電子帳簿保存を行った場合となり、電子申告をしない方は55万円の控除になります。

青色申告をするには、開業届の他に事業開始から2ヶ月以内に青色申告承認申請書の提出も必要であるため、開業届と一緒に提出するのがおすすめです。

この点に注意して、開業届を申請するかの参考にしてください。

屋号で銀行口座を開設できる

開業届を出すメリットの二つ目は、屋号が持てることです。

屋号とは、ショップや会社につけられる名称のことです。

株式会社〇〇や、〇〇ショップのような名称で屋号を決めます。

屋号で銀行口座を開設する開設すると、次の点で便利です。

  • お金の管理がしやすい
  • 事業用口座として使用するため、確定申告に備えられる
  • 税理士への相談がしやすくなる
  • 会計ソフトと連携が可能

主にお金の動きを可視化し、確定申告に備えることが可能です。

また、物販事業ではキャッシュフローが重要で、お金の流れを正しく管理・確認しておくことが赤字を出さないポイントとなります。

さらに、事業用の口座を1つ持っていると、事業全般の事務作業や経理がスムーズとなるためおすすめです。

赤字を繰り越すことができる

開業届を出すメリットの三つ目は、赤字の繰り越しができることです。

赤字を繰り越すことで翌年に仮に売上が倍増し、税金の支払いが多くなっても、前年度の赤字を繰り越していることでその分がマイナスと計算されます。

せどりを始めた頃は、利益が安定せず赤字になることがあるでしょう。

ただ、継続して事業を行った際に翌年から利益が増加し課税対象になることもあります。

その際に、前年度の赤字を繰越すことで翌年度の税金を低く抑えることが可能です。

初年度の赤字分を翌年度以降に繰り越せば、翌年以降の節税対策に繋がることもあるため、ぜひ試してみてください。

法人用のクレジットカードがもてる

開業届を出すメリットの四つ目は、法人用のクレジットカードが持てることです。

個人事業主やフリーランスになると、クレジットカードを作ることが難しいことがあります。

そのような時に、法人の銀行口座を持っており、かつ青色申告を終えていると、法人としてのクレジットカードを作ることができます。

事業を始めたばかりの時は資金も多くなく、支払いをクレジットカードで行うこともあるでしょう。

個人のカードを使用することももちろんできますが、法人のカードがあれば、管理もスムーズで使いやすいです。

せどりを本格的に取り組みたい方は、開業届を提出し、法人用のクレジットカードを作ってみてください。

小規模企業共済制度の退職金制度が利用できる

開業届を出すメリットの五つ目は、小規模企業共済制度の退職金制度が利用できることです。

小規模企業共済制度とは、日本の中小企業の経営者や個人事業主が引退や退職時に備えて、生活資金などを積み立てることができる制度です。

掛け金は、月々1,000円〜70,000円まで500円単位で設定できます。

共済金の受け取りは、一括・分割から自由に選択可能です。

さらに、小規模企業共済制度を利用していると低金利で資金の借入もできます。

せどりで事業拡大を検討する際に、課題になるのは資金不足という方も多いでしょう。

小規模共済制度には貸付制度があり、迅速な資金調達が可能で、通常の金融機関の貸付よりも有利な利率で資金を借り入れることができます。

自分の事業の状況に合わせた返済計画を立てることが大切です。

せどりで開業届を出す際のデメリット

せどりで開業届を出す際のデメリットを紹介します。

  • 失業保険が受けられなくなる
  • 社会保険の扶養から外れてしまう可能性がある

1つずつ解説していきます。

失業保険が受けられなくなる

せどりで開業届を出す際のデメリットの一つ目は、失業保険が受けられなくなるケースです。

失業保険は、次の就職までの給付金であるため、失業しているという条件が必須です。

しかし、開業届を提出していると、失業ではなく「仕事がある状態」と認識されるため、失業保険を受けることはできません。

開業届を提出後に本業を辞める際には、失業保険の受給をあきらめるか、いったん廃業届けを提出するかを選択する必要があります。

まだ退職や本業に切り替える予定がない方は焦って考える必要はありませんが、これから専業になろうとする方は注意してください。

社会保険の扶養から外れてしまう可能性がある

せどりで開業届を出す際のデメリットの二つ目は、社会保険の扶養から外れてしまう可能性があることです。

配偶者の扶養家族である場合は、年間で一定の額を稼いでしまうと扶養の対象にならず、扶養を外される場合があります。

また、自営業として起業した時点で扶養を外される場合もあるため、配偶者などの会社で確認してもらいましょう。

仮に、扶養が外れない範囲で事業を行うとするとせっかく開業届を提出して青色申告をするのにあまり節税にもならず、メリットの部分が薄くなることもあります。

家族がいる方はよく相談して決めてください。

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せどりで開業届を出す際の流れ・書き方

せどりで開業届を出す際の流れや書き方について解説していきます。

事務作業が苦手な方には高いハードルに感じるかもしれませんが、書き方と流れを理解すると難しいことではありません。

  • 開業届を出すタイミング
  • 開業届を出す際に必要なもの
  • 開業届の書き方
  • 開業届の提出方法

それぞれについて詳しく解説していきます。

開業届を出すタイミング

開業届は原則開業してから1カ月以内に提出することとされています。

提出期限を過ぎることで罰則等はありませんが、青色申告を希望する方は、青色申告承認申請書を提出しなければなりません。

開業届を申請してから開業日を変更することもできます。

その際は開業届を申請してから1カ月以内が取り下げの期限となるため、期限を過ぎないように気をつけてください。

開業届を出す際に必要なもの

初めて開業届を出す方は、何を準備すればよいか分からないかもしれません。

ここでは、開業届を出す際に必要なものを解説するため、事前に確認しておきましょう。

  • 青色申告承認申請書
  • 本人確認書類(運転免許証・パスポートなど)
  • マイナンバーがわかるもの(上記と合わせてマイナンバーカードでも可)
  • 印鑑

青色申告承認申請書の書き方が分からない方は近くの税務署に行くと詳しく教えてくれます。

あらかじめ問い合わせてから訪問すると、しっかりと相談時間を確保してくれるでしょう。

当日そのまま申請したい方は、本人確認ができる書類やマイナンバーカードを持参するとスムーズに申請することができます。

また、間違えた部分を訂正することもあるため、印鑑を持参しておくこともおすすめです。

開業届の書き方

開業届の書き方について解説していきます。

開業届は国税庁のHPからダウンロードできます。

以下が、実際の開業届のイメージになります。

必要な部分を記入して完成させましょう。

多くの方が記入に迷う部分は、以下の二つです。

屋号職業
開業届を提出する際には不要具体的な職業を記載

屋号の欄には、事前に考えた屋号名を記入すれば大丈夫ですが、この時点でまだ決まっていない場合は未記入でも構いません。

また、フリーランスや個人事業主というのは労働の形態であり職業ではないため、せどりの場合は「小売業」と記入します。

開業届の提出方法

開業届の書類が完成したら提出しましょう。

提出方法には以下の3つの種類があるため、自分の都合の良い形で提出すると良いでしょう。

  • 税務署に持参
  • 郵送
  • e-taxを利用

税務署に持参する場合は、税務署で簡単な確認をしてもらえるため、不備があれば持ち帰って修正することができます。

郵送の場合は、発送してから書類を確認してもらうまでの時間がかかるため、急いでいる方にはおすすめできません。

e-taxは事前に事前にe-Taxの利用開始手続きが必要ですが、自宅のパソコンで手続きが完了します。

開業届は開業から1ヵ月以内に提出する必要があるため、期限が迫っている場合は郵送やe-taxの利用がおすすめです。

せどりで開業届を出すときのポイント・注意点

せどりで開業届を出すときのポイント・注意点を解説します。

  • 開業届は営業後の提出で良いが、古物商許可は営業前に取得する必要がある
  • 開業届を出したからといって会社にバレることはない

一つずつ詳しく解説していきます。

開業届は営業後の提出で良いが、古物商許可は営業前に取得する必要がある

せどりで開業届を出す場合の注意点の一つ目は、開業届を出すのは営業を開始したあとで良いが、古物商許可は営業前に取得する必要がある点です。

開業届を提出しないことでの罰則はとくにありませんが、古物商許可については許可のない者が古物を販売すると違法になります。

開業届の申請を検討する方は、まず古物商許可の申請を優先させてください。

あわせて読みたい↓
せどりをやるのに古物商許可は必要?取得しない場合のリスクや取得手順をわかりやすく解説

開業届を出したからといって会社にバレることはない

開業届を申請する際に注意するポイントの二つ目は、開業届を出したからといって会社にバレることはないということです。

バレる原因は開業届を出すこと以外に考えられます。

会社にせどりがバレる主なケースは以下のとおりです。

  • 住民税の通知
  • SNS等での発信
  • 同僚や友人による内部通知

確定申告の際に、納税方法を普通徴収にしておけば自分で税金を払うことができるため、職場にバレることが防げます。

また、SNSで情報発信をしていることで個人が特定され、会社にせどりをしていることがバレるケースもあります。

同じく、副業について自分から会社の人に話してしまうことで、同僚や友人から会社に通知されるケースも珍しくありません。

そのため、開業届を出すだけなら会社にはバレないため、安心して提出してみてください。

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公務員がせどりすると懲戒処分!?抜け道は?実際の事例を紹介

せどり 開業届 まとめ

本記事では、「せどりで開業届は必要なのか?」について解説していきました。

開業届を出さないからといってとくに罰則はありませんが、青色申告による節税効果を得られる可能性があるなどメリットが大きいため、どうしても提出したくない事情がない場合は提出したほうが良いです。

ただ、家族の扶養に入っている場合は、起業をした時点で扶養から外れるすることもあるため注意してください。

また、せどりで安定した収入が得られ、売上が上がっている方は開業届とともに、青色申告承認申請書を提出しましょう。

本記事を参考に、自分の事業にプラスになる制度をうまく活用し、賢くせどりに取り組んでいきましょう!

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